ある日。オーボンの城下町からこの冒険は始まる。
「お父さん、お母さん。」少年が言った。橙のオーバーオールに緑のシャツ、赤茶色の髪にこげ茶色の目。そして頭にかぶったかぼちゃ帽子――。この少年がこの物語の主人公、西瓜南である。
「ん、なんだ、南。」で、その父親が原作ゲームの主人公、西瓜太郎である。
「ぼく、かぼちゃが食べたい。だから、かぼちゃを探す旅に出る。」と、南。
「そうか〜、がんばれよ〜。お父さんも昔はすいかを探す旅に出たんだぞ〜。」太郎は新聞を読みながら軽いノリで言った。
「お母さんもタン塩を捜して旅に出たのよ〜。」と、南の母親。御存知原作ゲーム紅一点のかるび。
「お父さんが旅に出たときの装備、倉庫に置いてあるだろ。使っていいぞ〜。無いものは自分のお小遣いで買いなさい。」太郎が新聞をめくりながら言った。
「はーい。」南は倉庫に向っていった。
「いいですね。南は元気で。」と、かるび。
「そうだね〜。昔が懐かしいよ。僕もまた、さらにおいしいスイカを探す旅に出ようかな。」と、太郎。
「じゃあ、私は今度はサーロインを探します。」と、かるびが言った。
「よーし、じゃあうなに連絡入れるか〜!」・・・まじすか?
太郎がうなに電話をかけていた頃、南は。
「・・・うわー、お父さん、ちゃんと掃除しとこうよ。ホコリだらけじゃん。」と、倉庫に文句を言っていた。
「た、太郎!久しぶりだな!なんだ、すいかが足りなくなったのかぁ?」突然、倉庫の置くから声がした。
「だ、誰?お父さんの知り合い?」
「・・・お父さん・・・?って、お前、よく見りゃ太郎じゃねーな。お前、誰だ?」
「僕は西瓜太郎の息子の西瓜南だよ。・・・よく見りゃって・・・そっちから僕が見えるの?君はどこにいるの?」
「おお、お前の左側の棚だよ!ほら!」
南が左側の棚を見ると、ほこりをかぶった長剣が転がっていた。
「えっ?ボロっちい剣しかないけど・・・。」
「悪かったな!ボロっちくて!!」と、その長剣が言った。「俺は長剣『キバ』。魔女の魔法で剣にされちまったが、元人間だ。西瓜太郎と一緒に冒険してた事もあるんだが・・・、まさかもうあいつの息子がこんなに大きくなってたとはな。ここの倉庫、ずっと暗いから昼も夜もわかんねーし、剣は歳とらねーから時間の感覚おかしくなっちまうんだよな〜。」
「ふーん、君、ずっとこの倉庫の中にいたの?」
「ああ。ずっとって言ったって、俺の感覚からすりゃ一週間くらいのもんだった気もするけどな。」
「じゃあ、僕と一緒に旅に出ようよ。僕はかぼちゃが食べたいんだ。」
「・・・さすが太郎の息子だな。いろんなところが。いいぜ。俺が冒険の指導をしてやろう。これでも、クレモンから宇宙の果てまでお前の父さんと冒険してきたベテランだからな!」
「ほんと!?ありがとう!」
こうして、南はキバとともに旅をすることになったのだった。
その頃、ノリエットのうなの家では
「えっ!?お前とかるびの息子がかぼちゃを探して旅に出たぁ!?わかった、俺の娘今合流させる!!は、なに言ってんだよ、お前とかるびの息子にツッコミつけとかないとどうなるか目に見えてんだよっ!!」と、もう一人の原作パーティメンバー、うなが送話機に向かって絶叫していたという・・・。
「りんごパイ焼けましたよ〜。」そして、うなはあぷると結婚していた・・・。あぷるが普通の人間に戻っている理由は不明である。
「ちょっと!きちんとまな板洗っておいてよ!?」そして、うなの母、ななはいわゆる一昔前の昼ドラのお姑さんみたいな姑になっていた。
・・・ちなみにその頃うみは、すいかを食べたら病気がよくなったのでうささと結婚し、どこかに引っ越して行ったそうな・・・。
次回予告
太郎「なんで僕たちがここにいるの?」
うな「旧メンバーは出番が少ないから、次回予告だけ出してもらえるそうだ。」
かるび「次回予告は食べられますか?」
うな「お前、20年経っても全く成長してないな。まあ、ゲームのキャラクターは成長も老化もしないから当然だけど。」
太郎「そんな事より次回は、南がオーボンの王様に会って、一つ目の竜の玉をゲットするよ。」
うな「次回もお楽しみに!」